真賀田四季台詞
「そもそも、生きていることの方が異常なんです」四季は微笑んだ。「死んでいることが本来で、生きているというのは、そうですね……、機械が故障しているような状態。生命なんてバグですものね」「バグ? コンピュータのバグですか?」犀川は一瞬にして彼女の思想を理解した。 プログラムに潜んでいるミス……、そう、バグかもしれない。神の作ったプログラムこそ、人類といえる。
ここを読んで次のクイズを思い出した。
クイズ
「バグだらけなのに走り続けるプログラムは何か?」
答え
「生命」
続き。
「ニキビのようなもの……。病気なんです。生きていることは、それ自体が、病気なんです。病気が治ったときに、生命も消えるのです。そう、例えばね、先生。眠りたいって思うでしょう? 眠ることの心地よさって不思議ですわ。何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう? 意識がなくなることが、正常だからではないですか? 眠っているのを起こされるのって不快ではありませんか? 覚醒は本能的に不快なものです。誕生だって同じこと……。生まれてくる赤ちゃんって、だから、みんな泣いているんですね……。生まれたくなかったって……」
生はいつだって死に至るプロセスであり続ける。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/04/03
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